連覇か奪還か奪取か、一瞬を制すのは誰か!

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今日現在までBMXレース種目JCF公認大会が、新型コロナウィルス感染症によりすべて中止になったため、今年初めての公式戦となる「第37回全日本自転車競技選手権-BMXレース」が感染拡大予防ガイドラインに則り安全対策を徹底した中、大阪府堺市・大泉緑地内にあるサイクルどろんこ広場で行われる。

男子エリートディフェンディングチャンピオンの中井飛馬 / Photo ©satoshi oda

開催場所は大阪府堺市・大泉緑地内にあるサイクルどろんこ広場。通称「おおいずみ」は過去に幾度もの激戦の舞台となり、多くのトップライダーを輩出した名門コース。2009年の国際大会開催に合わせ、それまでコースレイアウトを踏襲しコース巾を拡大、バームはアスファルトでコーティングされ、第2ストレートにプロセクションが追加され現在に至る。スピードがもっとも乗る第2ストレート後の第2バームではラインを取り合うために肘と肘とがぶつかり合い、BMXはまさしくコンタクトスポーツなのだと認識させられる。フィニッシュラインに向かう最終ストレートはリズムセクション。僅かなこなしの差で逆転も可能だ。

2018年チャンピオンの松下巽 / Photo ©satoshi oda

男子はエリート(ME)とジュニア(MJ)に分かれてレースが行われる。女子については例年では登録者数の関係からエリート(WE)、ジュニア(WJ)の表彰は別々に行われるがWE、WJを統合してのレースとなるだろう。

過去6度の全日本制覇の長迫吉拓 / Photo ©satoshi oda

MJは、女子(WE&WJ)と同じく、3ヒート合計のポイントによって勝負を決めることとなり、ひとつのヒートも失敗することができないプレッシャーとも戦わなくてはならない。

それぞれのカテゴリの注目選手とレースプレビューをしてみよう。なお、現段階で出走組み合わせが確定していないため参加不参加の確証がないことを了承願いたい。

男子エリート(ME)

過去5年間の全日本チャンピオンを振り返ると、昨年エリート1年目ながらチャンピオンとなったのは中井飛馬。昨年中井はMJ時代から3年連続で日本一となっている。長年何度も表彰台に乗るもなかなか頂上に登り切れなかった松下巽は2018年に念願の栄冠を射止めた。東京オリンピック代表候補となった長迫吉拓は2011年から5年連続、2017年には通算6度目の制覇を達成している。なお、長迫は2017年を最後に全日本選手権には参加していない。2016年リオデジャネイロオリンピック直前に行われた全日本選手権で長迫を破ったのは、今大会の開催地である大阪を地元とする吉村樹希敢。

2016年長迫を破った吉村樹希敢 / Photo ©satoshi oda

このように、2016年以降は毎年チャンピオンが代わっている。それぞれの年に煮え湯を飲まされた敗者たちは、「今年こそは!」と狙ってくるはずだ。昨年MJでチャンピオンになった増田優一を初め、今年からMEとなった選手達も大穴を開けてやろうと狙っているのも間違いない。

去年ジュニアを制し今年からエリートで走る増田優一/ Photo ©satoshi oda

男子ジュニア(MJ)

一番の激戦区とも呼べるクラスではなかろうか。毎年登録人数こそ少ないがここで勝負できなければ世界ではおろか、MEに昇格しても勝負に絡めない。ネクストジェネレーションとも呼べるBOYS16カテゴリから上がってきた選手達とバチバチにやり合うはずだ。この年齢層をいかに分厚く・強くさせるのが日本BMXレースの課題でもある。このクラスではディフェンディングチャンピオンが不在なので誰が勝っても初のチャンピオンジャージとなる。

注目選手は昨年2位を獲得している橋本颯馬と、今年MJ1年目であり昨年のBOYS16カテゴリチャンピオンの中林凌大だ。

女子エリート(WE)と女子ジュニア(WJ

東京オリンピック代表候補となった畠山紗英がこのカテゴリの中心となり、それを追うのが丹野夏波。そしてWJ最終年となる地元大阪の籔田寿衣と言ったところ。昨年のWJチャンピオンで籔田と同じく地元大阪の酒井亜樹と、早川優衣は今年WE1年目で下剋上を狙う。登録人数が8名のため3ヒート合計ポイントでの勝負となるため、ひとつも失敗は許されない、緊迫したレースが展開されるであろう。またWJ、WEと5年連続でチャンピオンジャージを着てきた瀬古遥加の意地の巻き返しにも期待しよう。

ワールドカップでも決勝に名を連ねるようになった畠山紗英 / Photo ©satoshi oda

WJの選手がWEの選手に勝つジャイアントキリングが見られる可能性もある。

なお、畠山もMEの長迫と同じく、2017年を最後に全日本選手権には参加していない。意外な事実だが、畠山はまだWEのチャンピオンにはなったことがない。が、名実ともに日本どころか世界のトップ選手であることは変わりない。

女子エリートディフェンディングチャンピオンの丹野夏波 / Photo ©satoshi oda

チャレンジレベル

チャレンジレベルのカテゴリに目を移すと、5歳からクラス設定がある年齢別カテゴリでは小学校高学年の年齢域がホットゾーン。中でもBOYS11−12クラスが出場者数も多く一番の激戦区であろう。ここ数年では人数が多いため、予選の次は準々決勝、準決勝と勝ち上がる必要があり、自然と海外のようなハイレベルな大会となっている。

アグレッシブにジャンプを攻めるキッズライダー / Photo ©Takao Fukuta

日本のガールズは、世界から見ても高いレベルにあり、昨年のUCI World Challengeでもファイナリストの証である「Wナンバー」を4名の選手が獲得している。

GIRLS9−10の澤田茉奈、GIRLS11−12の西村優々花、GIRLS15−16の西村寧々花、クルーザーGIRLS16アンダーの古家恵美だ。彼女たちがそれぞれのクラスで中心となるのは間違いない。

昨年15歳ガールズで4位入賞の西村寧々花 / Photo ©Takao Fukuta

Wナンバーの選手と同じクラスに出場する選手達の親御さんたちとっては、この大会でのリザルトが重要なベンチマークとなるだろう。

かつてのトップライダーたちがバチバチの激熱バトルを繰り広げるマスターズでは佐伯進の4連覇がかかっている。

マスターズ4連覇を狙う佐伯進 / Photo ©satoshi oda

クルーザー40+でも三輪和弘が連覇をどこまで伸ばせるか注目してみよう。三輪の全日本連勝記録は現在「7」だ。

クルーザー40オーバーで無敵を誇る三輪和弘 / Photo ©satoshi oda

最後に新型コロナウィルス感染症の拡大予防の観点から、例年とは違ったシーズンとなった2020年だが、長いオフシーズンでの成果が現れるレースであり、BMXレースファンにとっても待ちわびていたレースに是非注目していただきたい!

text : satoshi oda

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